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■ 05 「ごあいさつ」は大事!
「1回目の仕事は、多少ギャラが少なくても文句を言わず、とにかく仕事をしっかりやろう」 と決めていました。仕事を発注する側にしてみれば、初めて一緒に仕事をするウサ吉というライターが、どういう文章を書き、どういう仕事の進め方をするタイプなのかわからない分、不安なはず。もちろんウサ吉にとっても、初めて仕事をする相手が放任タイプなのか細かく口出しするタイプなのか、どういう文章を好むのか、文章の早さとうまさのどちらを重視するのかなど、見きわめておきたい点がたくさんあります。 つまり1回目の仕事は「おためし期間」。これが無事にクリアできれば、他の人に紹介されたり、もっと分量 の多い仕事(=ギャラも増える)を発注されたりすることが多いのです。ウサ吉は、この第1回目の仕事のことを、心の中で「ごあいさつ仕事」と呼んでいます。
ある日、編プロのAさんの紹介で、とある出版社のBさんから仕事を受けました。その仕事はAさんに発注する予定だったけれど、Aさんは他の仕事で忙しすぎるため、代わりとしてウサ吉を紹介したようです。かなり急なスケジュールだったうえ、ページ数も計2ページと少ないので、メールと電話、宅配便だけでやりとりしました。そしてこのやりとりを通 じて、ウサ吉はBさんについて 「仕事の進め方がかなり好み! できればまた仕事を発注されたい」 と思いました。 原稿をメールで送ったあとで、Bさんからお礼のメールが届きました。その文面 から「おっ、ウサ吉のことを結構気に入ってるんじゃないの?」という印象を受けたので、「私は特に××や△△に関して知識があります。何か特集をするときはぜひ!」とプロフィールを添付したメールを出してみました。普通 、初めて仕事をするときは直接会って打ち合わせをするので、その際「これ、ごあいさつがわりといっちゃナンですが……」とプロフィールを渡しています。でもBさんとは直接会う機会がなかったので、メールで送ることにしたのです。 それから3ヶ月後、「Bと同じ編集部の者ですが」と仕事発注のメールが届きました。読んでみると、△△に関する特集を担当することになり、誰かライターはいないかと探していたところ、Bさんからウサ吉を紹介されたとのこと。今回の仕事は15ページです。 「前回よりも増えたじゃん。やったね!」 (でもホントはこの仕事もBさんとやりたかったわー)
逆に、こんなこともありました。これまた人の紹介で、ある雑誌の仕事をしたときのこと。その雑誌は創刊したばかりのうえ、編集部の人たちは皆、編集に関しては未経験に近い人ばかり。そのため、言ってることがかなりとんちんかんなのです。しかも、ギャラが安いわりには面 倒な作業が多すぎ! それなのに、仕事を発注するときの態度がすんごいエラそう! 「あなたたち、もっと謙虚になったらどうなの?」と心の中で文句を言っていたのですが、「いやいや、これはごあいさつ仕事なんだから」とガマンしていました。ところがあるとき、ちょっとした相手のひとことがガマンできず、ウサ吉が「もう、この仕事はできません!」とキレて、先方を怒らせてしまいました。 でも他の人に引き継ぐ時間もないので、結局ウサ吉がそのまま続けることになりました。そして、何とか原稿も終わってメールで送ったところ、すぐに先方からの電話が! ウサ「も、もしもし(ヤバー、またなんか怒らせた?)」 編集「原稿、すごくよかったです! さすがプロですね」 ウサ「そ、そうですか……(このー、今さら遅いわよ!)」 でもこれは、ウサ吉の文章が特別うまかったというわけではなく、この人たちがプロのライターの原稿をまだあまり見たことがなくて、(自分たちの書いたものと比べて)すごくうまく見えてしまった、というだけのことです。 当然のことながら、次号の仕事の依頼はきませんでした。もしあのときキレずにいたら、仕事の話もきたかもしれないし、ギャラの交渉もできたかもしれません。それに、しばらくたてば、もっと編集のことが分かる人が新しく入っていたかも。 (う〜ん、この雑誌そのものは、かなり興味のある内容だったのにな。残念!) とちょっぴり後悔。ウサ吉のほうこそ、今さら遅いよ! やはり、「ごあいさつ仕事」は大切ですね。 |