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■ 04 長距離と短距離
原稿を書いている間、 「雑誌の仕事が短距離走だとすれば、書籍の仕事って、マラソンみたいなものなんだなぁ」 と何度も思いました。雑誌の場合は、取材も原稿書きもスピードが命! そのため、原稿を書いているとき「つ、つらい……」と感じることがあっても、「どんなにつらくても、来週の今頃はこの仕事も終わっているはずよ。ガンバレ、ウサ吉!」と自分で自分を励ましていました。でもそのかわり、またすぐに次のレース(仕事)の予定が入り、新たにウォーミングアップ(打ち合わせや取材)をするため、素早く頭を切り替える必要があります。 ところが書籍の場合は、瞬発力より持久力がカンジン! レースにのぞむ前は念入りなウォーミングアップ(下調べ)を行ない、 コースの地形(書籍の構成)などからペース配分をよく考え、 走っている(原稿を書いている)間は、途中で棄権することなく、強い精神力で乗り切る! この精神力がまた、大事なんです。ウサ吉は、レース中に何度逃げたいと思ったことか!
2週間ほど経った頃、編集を担当したNさんから電話がきました。Nさんは「私なら、1週間で書けちゃいますね」と豪語したTさんの部下。どうやらあまりに忙しすぎて、ウサ吉に連絡するヒマもなかったようです。そして、てっきり文句を言われるのかと思っていたのに、「あれだけの短期間で、これだけの原稿を書いてもらえれば充分です!」とお礼を言うではありませんか。 そうよねそうよね! Tさんは1週間なんて言ってたけれど、他の仕事や家事、雑用なんかもいっぱいあるのだから、この仕事1本に集中しない限り、絶対に無理。きっとTさんの場合、「会社の雑用はぜーんぶ部下におまかせ。家庭でも、家事はぜーんぶ奥さんにやってもらってます」という状態で、1週間ってことだったのよ! と勝手に決めて、納得することにしました。
それにしても、編プロにもいろんなタイプがあるのね。 それまでウサ吉が知っていた編プロは、雑誌の仕事がメインで書籍やムックは時々やる程度、というところばかり。でもこの会社は、書籍とムックしかやっていません。そのせいなのか、ライター1人あたりに発注する仕事が、雑誌とは比べものにならないほどの量 。あまりの多さに、途中で逃げ出してしまったライターもいる、というウワサも聞いたことがあります。 (それ絶対ホントの話だわ。ウサ吉だって逃げ出したくなったもの)
ところでウサ吉は、この仕事のときにおもしろいことを発見しました。それは、ひたすら大量 の原稿を書いていると、ウサ吉の場合、一定の量を超えた時点で頭が働かなくなってしまうということ。「まだ時間はたっぷりあるから、もうちょっと書こう」と思っても、頭がボーっとして何も考えることができないのです。「今日は夜まで書くぞ!」と思っていても、夕方にその量 に達してしまうとその後は全然原稿が書けず、結局その日の仕事は終了、ということもよくありました。 はぁ〜、ウサ吉ってばバリバリ働くのは向いてないわ! そういえば、知り合いの知り合いに、「ライターとしての収入だけでマンションを購入した」という女性がいます。この人は、原稿を書くスピードが異様に速いらしい。ということは、ウサ吉が収入を増やすには、ライター以外の仕事を組み合わせたほうがいいのかも。 たとえば、次のような感じ? 1 印税でプラスαの収入を得る(よほど売れる本を書かない限り難しいのでは?) 2 編集やデザインの仕事も一緒に受ける(しかし、どちらも自分には向いていないということに、編プロ修行時代に気づいてしまった!) 3 編プロを立ち上げる(これじゃフリーになった意味がない!) 4 仕事で得た知識やライターとしての視点を、他の仕事に活かす(これってつまり転職!?) なんだか、どれも無理そうな気がするんですけど……。
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