02 質と量と相性の問題


「自分の専門分野はコレ!」と言えるものを見つけなくちゃ! と思っていたある日、「ウサ吉さ〜ん、ちょっと仕事を手伝ってくれない?」と知り合いのライター、Aさんからメールが届きました。

Aさんとは、お互いフリーになる前、編集者(Aさん)と編プロ社員(ウサ吉)として知り合いました。ウサ吉にとってAさんは、数少ない同業者の知り合いです。

早速、彼女から詳しく話を聞いてみると、とある編プロから健康関連のムックの仕事を受けたけれど、あまりにも量 が多いので数人で手分けしてやりたいとのこと。しかも、一体どこでそうなったのかわからないのですが、〆切りまであと1週間ちょっとしかないのです。そこで、ウサ吉は15ページほど手伝うことになりました。

健康関連の記事を書くのは初めてでしたが、資料はだいたいそろっていたので、それほど大変じゃなさそうな感じでした。せっかくだから、原稿に書く予定の「××健康法」を実際に試したりして楽しみました。ところが、原稿が予想以上にキツかった!

特に詳しい知識があるわけじゃない分野なので、本や資料を読んで理解したつもりになっても、長い文章を書き続けていると、「イヤだ〜、イヤだ〜」という気持ちがこみあげてきて、頭の中がまっ白になってしまうのです。

書くことがイヤなのか、それともこのジャンルの原稿を書くのがイヤなのかよくわからないけれど、とにかくイヤだと思っている間にすぐに〆切りが来てしまい、ウサ吉の原稿はみんなよりかなり遅れて(もちろん〆切りよりもかなり遅れて)しましまいた。

ところがあとで知ったのですが、一緒に手伝ったもうひとりのライターのBさんは、自分の担当ページを〆切りより前に終わらせて、さらにウサ吉と同じく苦しんでいたAさんの分まで手伝ってくれたそうです。結果 として、Bさんは同じ期間の中で、ウサ吉の約2倍の量をこなしたそう。その話を聞いたとき、

「なるほど! 同じ期間で(というかウサ吉の方が長い)、仕事量 にこんなに差が出てしまうのだから、ウサ吉がもうからないのも当然ねっ!」

と思いました。

 

この話にはさらに後日談があります。Bさんの話を聞いたウサ吉は、Bさんのことを知る、とある知り合いの編集者に「Bさんってホントにスゴイ!」とBさんのことをほめちぎりました。ところがウサ吉の話を聞いた彼女は、次のように言ったのです。

「でもね、Bさんって原稿はものすごく早いけれど、原稿はイマイチなの。だから彼女に仕事を頼むときは、〆切りを早めに設定して、あとでこっちでいっぱい手直しするのよ」

そ、そ、そうだったの!?

ウサ吉は、〆切りを多少伸ばしてもらっても、満足のいく原稿を書きたいと思うタイプ。そして、ウサ吉に仕事を発注する編集者は「原稿は早くてマズイよりも、遅くてもマトモなほうがいい」というタイプが多いのです(これは、ずいぶん前に本人に確認したことがあります)。

そのためウサ吉は「スピードよりも質を重視!」という考えなので、「多少質は落ちても〆切りのほうが大事」という考えには驚きました。でも確かに、ウサ吉の仕事ぶりを見て、口や態度には出さないけれど「いいかげんな人!」と思っている人がいることも確か。実際、親しい同業者から「あなたのそういう態度は問題だ」と、注意されたこともあります。

ということは、書くスピードが速くても遅くても、原稿の質がよくても悪くても、結局のところは編集者との相性がよければそれでOKなのね! と思いました。

 


    

 

 

 

 


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