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■ 03 ウサ吉、やっと上京する
その原因のひとつは、母親の存在でした。ウサ吉の母親は、まじめで保守的なところもあるけれど、子供に自分の考えを押し付けたりしない人でした。でも当時は両親と一緒に暮らしていたので、ウサ吉は、まず最初に「母親の価値観」を通 してものごとを見るクセがついていたのです。 だから、「大学をやめること」が自分にとっては自然なことのはずなのに、ものすごくオソロシイことをしようとしている気がする。それに、無意識のうちに「親の期待にこたえなければ!」という気持ちもありました。自分では、とっくに母親とは親離れ・子離れができているつもりだったけれど、根っこの部分では、精神的に自立できていなかったのですね。 ウサ吉は、大学に入学したばかりの頃に起きたちょっとしたできごとがきっかけで、自分の大学4年間のテーマは「自分だけの価値観を確立すること」だと思っていました。そのため、何かあるごとに「自分にとって×××とは?」と考えるようにしていました。 そして、たとえ自分以外のすべての人が「YES」と言っても、自分にとって「NO」ならば、「NO」と思い続けられる自分だけの基準を持ちたい。 そう思っていたのに、自分はまだ全然ダメじゃん! 未熟な自分に、ガックリきました。 結局大学をやめる決心はつかず、周囲が就職活動で忙しくしている間は、東京行きの資金づくりのバイトにはげみました。そして、書くことが大嫌いなウサ吉も卒論を締め切り日ギリギリに提出し、なんとか予定通 りに卒業しました。そして卒業式の3週間後、働く場所も住む部屋も決まってないまま東京へ向かいました。 |