第8回 画面 撮影のいまむかし

「画面撮影」という作業は、ゲームライターに特有のものではないかと思います。パソコン誌のライターにも似た作業(画面 からのキャプチャ)はあると思いますが、しかしそれともまた違う。考えてみると、これこそがゲームライターの最もゲームライターらしい作業なのではないか!?

……というほどおおげさなものでもありませんが、画面 撮影のお話でございます。

普通、雑誌などのライターの場合、記事に使う写 真を手配するのは基本的に編集者のお仕事になります。カメラマンを頼むなり、あるいは紙焼き(普通 のいわゆる写真。印画紙に焼きつけてあるのでこう呼びます)やポジを入手したりといったことです。まあライターが撮影することもありますが。

しかしゲームの記事ではそれが逆になります。ゲームを一番深くプレイし理解しているのはライターなので、ゲームの写 真はライターが撮影するのが一般的です。まあ編集者が写真を用意することもありますが。

ではゲームの画面写真。これをどうやって撮影するのか、ということですよ。通 常の取材では、カメラで撮影してポジを印刷屋さんに入稿すれば、誌面に印刷してくれるわけですが、さてゲームの画面 はどうやって入稿すりゃいいのだか。

もっとも原始的な方法は、ブラウン管をカメラで撮影する方法。今日ではめったに見かけることの無い方法です。今でこそフラットな画面 のテレビってのがありますが、昔のテレビではブラウン管の丸みが画像に出てしまうので、四隅が直線にならない。これがなかなか苦労だったようです。僕が仕事をするようになって以来、一度だけ、そういうポジを受けとってびっくりした覚えがあります。

「この写真丸いよ……どうしよう」

僕が会社に入った頃(まだ若かった……ふっ)には、ビデオプリンターという機材を利用するのが一般 的でした。ゲーム機とビデオプリンターをRGBケーブル(通常のビデオケーブルよりきれいに写 る)で結びます。そして撮影したい瞬間、ビデオプリンターの「撮影」ボタンを押す。すると、ビデオプリンターが画面 を印画紙にプリントしてくれます。これは画質はまあ申し分無いのですが、なんといっても撮影が難しい。両手でコントローラーを握り締め、『グランツーリスモ』でヘアピンコーナーを攻めている瞬間に、必死に左手の小指を伸ばしてビデオプリンターの撮影ボタンを押す格好を想像してください。もちろん画面 から目を離さずに、です。車を運転しながらラジオのボリュームを上げる時のあの緊張感を想像していただければ好適です。そばにヒマな人がいればその人にボタンを押してもらうのですが、これもなかなかタイミングが難しいものです。僕が必死にプレイしながら「今だ!」と叫んだ時には、隣のパートナーはちょうどあくびをしていて見逃したりします。あーあ。

最近は楽になりました。パソコンやDV(デジタルビデオ)の動画取り込みができるようになったからです。DVを使う例を説明するなら、こうなります。ゲーム機とDVとパソコンをつなぐ。DVカセットを入れる。「録画」スタート(ポチっとな)。ゲームを普通 にプレイ。録画を止め、巻き戻して「再生」。使いたい場面に来たらコマ送りして、使う画像をパソコンに保存する。終わり。タイミングを計る必要もなく、小指がツるような思いも必要ありません。普通 のビデオではかなり画質が落ちるのですが、DVならばまあまあのクオリティです。機材の価格としても、ビデオプリンターが50万もする高価な機材だったのに比べればいくらか安くすみます。DV万歳。

なお、こうした機材は編集部が購入し、ライターがその編集部で撮影するというのが普通 です。ライターが自分で持っている必要はありませんよ。慌てて購入しないように。


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